女性のギャンブル依存症

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=46483 より転載
女性のギャンブル依存症、社会復帰をNPOが支援


横浜「ヌジュミ」12月、新施設へ
 ギャンブル依存症に悩む女性の社会復帰を支援するNPO法人「ヌジュミ」(横浜市保土ヶ谷区)が12月、同区内の新しい施設に移ることになった。
 厚生労働省研究班の調査(2009年)では、男性の9・6%、女性の1・4%がギャンブル依存症とされており、同法人を主宰する田上啓子さん(62)は「誰にも言えず苦しい思いをしている女性がたくさんいる。気軽に連絡をとってほしい」と呼びかけている。
 「ヌジュミ」とは、沖縄の方言で「希望」を意味する。ギャンブル依存症を克服した田上さんが「女性が気兼ねなく通える施設が必要」と考え、2007年4月、横浜市保土ヶ谷区のマンションの一室に開所した。ギャンブル依存症に悩む女性がほぼ毎日集まって、それぞれの経験を語り合う。これまでに、8人が社会復帰を果たした。
 ギャンブル依存症は、アルコールや薬物への依存と比べ、認知度が低い。田上さんは「自覚していないだけで、どれだけ多くの人が依存症になっているか。特に女性は相談する機会もなく、やり場のない気持ちを賭け事にぶつけてしまっている」と、「隠れた中毒者」の存在を指摘する。
 田上さんによると、精神科や心療内科で診察している病院も少なくないが、依存症を克服した当事者が社会復帰をサポートする施設は県内に三つしかなく、女性だけを対象とした施設は「ヌジュミ」だけという。
 これまで趣旨に賛同した個人や民間団体からの寄付金や助成金で活動してきたが、11月からは、横浜市補助金も受けられることになり、12月1日に、保土ヶ谷区内の現在より広い場所に移る。今は田上さんが1人で常駐しているが、新施設では、経理担当も含め3人体制になる。
 田上さんは「『ギャンブルをやっているのは自分』と気付くのが第一歩。ゆっくり一緒に治していきましょう」と話す。ヌジュミの所在地は公表しておらず、問い合わせの電話は045・743・5854か080・6611・7526。
(2011年9月3日 読売新聞)