アンパンマンと「食べること」

http://anpanman.jp/sekai/qanda/010.html より転載
アンパンマンQ&A


頭の中にあんこが入っています。
アンパンマンは、そのあんこがエネルギーになっているから、
食事をする必要がないんですよ。


アンパンマンは、人間を含む生き物の「食べるー食べられる」という関係から自由なのです。


アンパンマンカニバリズム
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20131114/p1

「断食芸人」と「アンパンマン」

 文学史上で有名な「食べない」主人公は、なんと言っても、フランツ・カフカの短編小説『断食芸人』(1922年)の「断食芸人」でしょう。見世物として「断食芸」を続け、「自分の口に合う食べ物はなかった」と最後にサーカスの支配人に告白して、餓死し、代わりに檻に「豹」を入れられ、豹は「もうすっかり飽きられていた」断食芸人と対照的に、観客の人気を集めます。このサーカス芸人の物語は、キリスト教の禁欲的理想が陰り、代わりにニーチェ的な超人思想が台頭してきたことを表している、という読みも可能でしょう(カフカの妹は、ナチス強制収容所で殺されました)。
 『アンパンマン』は、頭の中の餡をエネルギー源にしているので、食事する必要はないし、食事しません。断食芸人と違って、食べなくても生きていけるのです。見方によっては、やなせたかしの絵本=アニメ『アンパンマン』は、このように設定することで、カフカが描いた「食べる―食べられる」関係についてのニーチェが提起したような近代的問題をクリアしてみせた、と見ることも可能でしょう。

韓国軍のベトナムでの性暴力

http://digital.asahi.com/articles/ASG374Q7LG37UHBI028.html?iref=comkiji_redirect&iref=comtop_6_04 より転載
「韓国軍のベトナムでの性暴力、謝罪を」元慰安婦ら会見


 韓国人の元日本軍慰安婦と支援団体代表らが7日、ソウルで記者会見し、ベトナム戦争に参戦した韓国軍による「ベトナム人女性に対する性暴力や民間人虐殺」について、「韓国政府が真相を究明し、公式謝罪と法的責任をとるように」と訴えた。
 会見した元慰安婦らは毎週水曜、ソウルの日本大使館前で「日本政府の公式謝罪と賠償」を訴え続けている。支援団体関係者が2月にベトナムを訪れ、ベトナム戦争時に韓国軍から性暴力を受けた女性や、その子供らと面会。女性たちは「社会で蔑視され、苦しい生活を余儀なくされている」と訴えたという。
 元慰安婦の金福童(キムボクトン)さんは「同胞が犯したことは韓国政府が解決すべきだし、知らないふりはできない」。支援団体の尹美香(ユンミヒャン)代表は「私たちが望むのは慰安婦の悲劇が繰り返されないことだ。日本政府に求めるだけでなく、我々自ら平和をつくりたい」と話した。
 韓国軍のベトナム戦争参戦時の行為に関しては、故・金大中(キムデジュン)大統領が2001年のベトナム訪問時の首脳会談で「ベトナムの人々に苦痛を与えたことを申し訳なく思う」と述べた。(ソウル=中野晃)


*日本も見習えばいいのに。日本の保守派が河野談話を認めないことの大きな理由は、「日本の男性は性暴力的が好きだ」という本質主義的見解を嫌っているのでしょう。第二次世界大戦中の旧日本軍の性暴力が他国に比べて相対的にむごかった大きな理由は、旧日本軍が、欧米は第一次世界大戦で懲りて止めていた戦争トラウマに対する「殴打療法」を続けていたことにあるのかもしれません。


「男性性と性暴力/自己無力感と支配欲強姦」
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20100924/p2