藤井風の音楽と金光教の「元日の心」

―毎日愛しき何かの祭り、祭り、あれもこれもが有り難し(藤井風「まつり」アルバム『Love All Serve All』ユニバーサル・ミュージック、2022年)。

 

なあ近藤さん(近藤藤守―熊田注)、今、神様の仰せられたとおりでのう、正月は一年中のことを祝うので、まことにめでたいものじゃ。よって、氏子は腹が立っても、三ヶ日じゃ、怒るな怒るなと言うじゃろ。よってのう、日々元日の心で暮らしてのう、日が暮れりゃ大晦日と思い、日々うれしゅう暮らしますのじゃ。そうすれば、家内には不和はないのじゃ。日々うれしゅう、元日の心で暮らせばよいのう(金光教本部教庁『金光教教典(増補改訂版)』金光教本部教庁、2004年、p287)。

 

 藤井風が生まれ育った岡山県浅口郡里庄町は、金光教の本部が存在する金光町が属する岡山県浅口市に隣接しています。藤井風の実家の近所にも、金光教の教会があります。藤井風は、意識的に学んだというよりも、知らず知らずのうちに金光教の教えに影響されているのでしょう。いわば、金光教は、藤井風の「想像力の慣用句」(サンタヤナ)になっている側面があると思います。

*藤井風、金光教に入信

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