男性の侠気とウィークネス・フォビア

 小学校は一学年三組あった。三年生まで男女一緒で、四年生から男組、女組、男女組に分かれる。私は共学の男女組だったが、弱い者いじめは大嫌いで、女の子にも優しかった。なぜか。弱い者や女の子をいじめると、弱さやめめしさが感染するのではないかと恐れていたからだ。青年になって戦争で散々辛酸をなめたが、ベビイのころは勇ましいことが大好きで、強い者に素朴に憧れていた(水木しげる『水木さんの幸福論』角川文庫、2007年、p48)。


*「女性の侠気」と違って、「男性の侠気」はウィークネス・フォビアと結びついているのかもしれません。