「スピリチュアリティ研究」の消滅

 日本の宗教研究から「スピリチュアリティ研究」がほぼ雲散霧消してしまったのは、もちろん東日本大震災でその無力さが明るみに出たからでしょう。しかしそれだけでなく、慶応大学の樫尾直樹氏の無残な崩れ方も、関係していると思います。私たちの世代は、人数が多くてパワフルな全共闘世代との距離の取り方に苦労するのです。全共闘世代に対して強引に対抗的アイデンティティを打ち立てようとして自滅した研究者を、私は樫尾氏以外にも大勢知っています。