因縁と運命

 学校レベルが「上」の女子の割合と運命を信じる女子の割合をクラスタ別に見ても、学校レベルが高くなるほど、運命を信じる人も増える傾向にある。一体なぜこうした傾向になるかは私にもわからない。どなたか専門の社会学者に階層と信仰というテーマで研究して頂きたい(三浦展『ニッポン若者論―よさこい、キャバクラ、地元志向』ちくま文庫、2010年(初出2008年)、pp.122-123)。


*ひとつ考えられる可能性は、「苦難の神義論」として、下層階級の若者は、インド的=仏教的な「因縁」の概念を信じる傾向があり、逆に上流階級の若者は、苦難を「悪因縁」で説明されるのが嫌で、もしろニーチェ的な「運命」愛の概念に親和性をもつ、ということです。