ホモソーシャル/習慣/自発的隷従

 よって次のように言おう。人間においては、教育と習慣によって身につくあらゆることがらが自然と化すのであって、生来のものといえば、もとのままの本性が命ずるわずかなことしかないのだ、と。したがって、自発的隷従の第一の原因は、習慣である。だからこそ、どれほど手に負えないじゃじゃ馬も、はじめは轡を噛んでいても、そのうちその轡を楽しむようになる。少し前までは鞍をのせられたら暴れていたのに、いまや馬具で身を飾り、鎧をかぶってたいそう得意げで、偉そうにしているのだ(エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ『自発的隷従論』ちくま学芸文庫、2013年(原著1546年または1548年)、pp.43-44)。


*「特攻志願」の際に利用された「ホモソーシャル」(「みんながいくのに、いかないわけにはいかない」)は、ラ・ボエシの「自発的隷従」に関する古典的考察における「第一の原因である習慣」のひとつなのでしょう。