ネットが近代資本主義に終止符を打つ

 岡田さんだけではなく、中沢新一さんの農業コミュニティのアイディアもそうだし、平川克美くんの「小商い」のアイディアもそうだし。贈与をベースにした共同体のアイディアを語る人がさまざまな領域で同時多発的に出てきているということは、たぶん地殻変動的な社会変化が起きているという証拠だと思いますね。あらゆるものに値札を貼り付けて、どれだけコストを下げて、利益を上げるかだけを問題にする市場経済パラダイムそのものが崩れはじめている。でも、その動きを加速しているのがインターネットであるというのが皮肉と言えば皮肉ですね(岡田斗司夫内田樹『評価と贈与の経済学』徳間書店、2013年、p170)。