草食系精子?

日高さんの弟子である動物行動学者でエッセイストの竹内久美子さんも言う。「草食動物は一般に体の大きさに対して睾丸が大きく、精子の製造が盛んです。ひとつの卵子の受精をめぐり複数の精子が競う『精子戦争』に強く、人間でいえば肉食男子のイメージに近い」と(「実は“床上手”草食系男子」『サンデー毎日』2012年7月29日号、p.138)。


*「どんな科学者も科学者である前に詩人であり、時代の『性差の詩学』から自由ではない」(トマス・ラカー)という事情は、現代でも変わらないようです。大学の授業で「そのうち<草食系精子>とか<肉食系卵子>という表現が出てくるよ」と話したばかりでしたから、おかしかったです。