日本の子どもの貧困率

http://digital.asahi.com/articles/TKY201206090128.html より転載
「子どもの貧困率、日本ワースト9位 先進35カ国中で」


 日本の子ども(18歳未満)の貧困率は14.9%で、先進35カ国のうち悪い方から9番目の27位――。国連児童基金ユニセフ)がこんな報告書をまとめた。今年発表の国際比較でも悪化傾向に歯止めがかからず、深刻な状況が改めて示された。
 日本のデータは、2009年の所得を基にしている。これまでユニセフが同様の分析をした報告書によると、日本の子どもの貧困率は00年12.2%、05年と07年がいずれも14.3%。今回は15%に迫り、年を追うごとに上昇している。順位も23カ国中12位(00年)、26カ国中17位(05年)、24カ国中16位(07年)と、低迷が続いている。
 今回、子どもの貧困率が最も高かったのはルーマニア(25.5%)で、米国(23.1%)が続く。金融不安に揺れるギリシャ(16.0%)はワースト6位、イタリア(15.9%)は同7位で、15.4%のリトアニアをはさんで日本が続く。貧困率が低いのはアイスランド(4.7%)、フィンランド(5.3%)など北欧諸国が目立つ。
 報告書は、各国の子育て政策や福祉も比較。日本は子どものための施策に対する公的支出が対国内総生産(GDP)比1.3%で、35カ国中で下から7番目に低かった。
 日本の統計に関して協力した国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩さんは、今後の見通しについて「(10年に支給が始まった)子ども手当はプラス要素だが、経済状況の悪化や震災の影響もあり、数字にどう出るかは不透明だ」と話している。
 貧困率とは、その国の国民一人ひとりの可処分所得を計算し、その真ん中の所得の半分に届かない人の割合。相対的貧困率とも言う。(田中陽子

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