小熊英二さんの『1968』

　今朝の『朝日新聞』の書評欄では、田中美津さんがアマゾンのレビューや『週刊金曜日』（2009年12月25日号）であれだけ丁寧に事実誤認の数々を指摘したにもかかわらず、小熊英二さんの『1968』が、「戦後最大の社会変動の『物語』描き切る」作品として絶賛されています。

田中美津さんのアマゾン・レビュー「64ページ中、事実の間違いが45ヵ所も・・・・・」

http://www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/A1ZH91RDSP2LL7/ref=cm_pdp_rev_more?ie=UTF8&sort_by=MostRecentReview#RAKXF5653827B
　
　私と同じ年（1962年生まれ）の小熊さんに対して同情的に見れば、私たち「遅れてきた青年」の世代にとっては、数が多くて声が大きい全共闘世代との距離の取り方が難しいのです。全共闘世代に対して強引に対抗的アイデンティティを打ち立てようとしてツブレていった研究者を、私は小熊さん以外にも大勢知っています。