秋葉原無差別殺人事件と「踏み越え」の条件

 昨日行われた秋葉原無差別殺人事件の初公判で、被告は、「事件当時の記憶がない部分もあります」と述べていました。おそらく「解離」(俗にいう多重人格)でしょう。もちろん他の条件も関係していたのでしょうが、中井久夫さんが「犯罪への『踏み越え』(transgression)をやさしくする条件」のひとつとして挙げていた「抑制されつづけてきた自己破壊衝動」が表面化した可能性が高いと思います。もちろん、もしそうだとしても被告が免責されると言っているのではありません、念のため。