精神科医・斎藤環氏の保守性

 斎藤環氏の『関係する女、所有する男』(講談社現代新書、2009年)を読了しました。ジェンダー(性差をめぐる社会的文化的関係)をめぐる巷の数々のトンデモを、「関係する女、所有する男」という別のトンデモによって置き換えた本です。斎藤学氏の著作もそうですが、男性精神科医ジェンダーに関するどうしようもない保守性が露呈されています。こうした自称「フェミニズムの理解者」たちは、拙著「男らしさという病?―ポップ・カルチャーの新・男性学」でいう「フェミニスト的偽装」をする男性たちでしょう。ちなみに、拙著の第2章「ヤオイ女性と百合男性が出会うときー親密性は変容するか」では、現代日本において「関係する男」たちが本格的に台頭していることが論じられており、斎藤環氏の議論に対する完全な反証になっています。

斎藤環氏と石原慎太郎氏の対談記録」
http://homepage3.nifty.com/tamakis/%8D%D6%93%A1%8A%C2/shintaro.html
精神科医斎藤学氏の勘違い」
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20070905