レギンス男子

*「レギンス男子」増殖中 ももひきとは違う防寒 『朝日新聞』2009年10月12日号
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200910120137.html より転載

 
 タイツの足首から下を切り取った形の「レギンス」。もともと、女性がスカートや長めのシャツにあわせて着こなすアイテムだったが、大学生を中心に、若い男性にも浸透し、この秋、「レギンス男子」増殖の気配がある。有名ブランドからも続々、新商品が発売され、メーカーと共同でオリジナル商品を開発する百貨店も出てきた。

 都内の私立大学に通う杉並区の竹内宏介さん(20)は、黒色の短パンの下に紺色のレギンスをあわせた「レギンス男子」の一人。「女友達から、『違和感ないよ』といわれる」

 昨春、雑誌で短パンとレギンスを合わせているのを見て、「これいい!」とひかれた。そのころは扱っている店がほとんどなく、兄の防寒用の黒のタイツで代用したが、今年に入ると、簡単に買えるようになった。渋谷などでは短パンとあわせている同年代の男性をよく見かけるようにもなったという。

 「男もレギンス」の流れはどこから来たのか。

 高島屋新宿店の紳士雑貨担当バイヤー高熊王介さんは「ユニクロが03年に発売した防寒用下着『ヒートテック』シリーズのタイツですね」と言う。「ももひきとは違う防寒のイメージが定着した」。それが「見せても、ファッションとして成立し、ニーズも高まった」という。

 気温が低くなる、これからがシーズン。同店では今秋、デニムメーカー「リーバイス」と共同企画商品を開発した。根強い人気のある1917年生産の「501XX(ダブルエックス)」を、レギンスにプリントで忠実に再現したものだ。バーバリーやビビアン・ウエストウッドなどの有名ブランドも続々この秋、新商品を発売。伊勢丹メンズ館(新宿)でも「昨年に比べると扱いが増えた」と話している。(豊吹雪)