砕かれた心

 8月26日のブログで「太宰治と『砕けた心』のゆくえ」という文章を書きました。その後、この「砕けた心」という言葉の出典を探したのですが、パスカル(1623-1662)の「パンセ」の中公文庫版(前田陽一・由木康訳、1973年)では「砕かれた心」(p.329)となっているようです。旧約聖書の「詩篇51」(ダビデによる)を思わせる表現である、と訳註で解説してあります。


しかし、神の求めるいけにえは打ち砕かれた霊。
打ち砕かれ悔いる心を
  神よ、あなたは侮られません(「聖書 新共同訳」日本聖書協会、1987-1988年、p.885)。