癒しの基本にあるもの

かつては「シャーマニズムと呪術にすぎない」(小口偉一)と片づけられていた新宗教は、全共闘世代の宗教社会学研究会によって日本人の「共同性の最後の基盤」とみなされるようになりました。そして、21世紀に入ると、かつては新宗教の中でも「淫祠教」的側面と思われていたものが、「癒しの基本にあるもの」とみなされるようになりつつあるのかもしれません。もしそうだとしたら、それは、この半世紀近くの間に「私たちがさらに多くのものを失った」事実の反映かもしれません。