ゴス・カルチャーとグノーシス主義

http://ameblo.jp/le-corps-sans-organes/entry-10040625272.htmlより引用

 ゴス・カルチャーは、死を意識した生の文化ではないか。暗黒というよりは、暗黒を意識しているがゆえに燃え上がる炎の文化。言うなれば、グノーシス主義的思考のヴァリエーションではないか。グノーシス主義とは、反宇宙論的二元論であるが、グノーシス主義の文献である「ナグ=ハマディ文書」が再発見されるよりも前に、グノーシス主義的思考は現代思想の分野で見られた。この世界は虚妄であり、真の自己は覚醒せねばならない。このような主張を持った実存主義は、聖書考古学の分野で「ナグ=ハマディ文書」が見つかる前に、グノーシス主義的なことを云っていたといえる。ゴス・カルチャーは、思想的な代弁者を未だ獲得するには至ってはいないが、「ナグ=ハマディ文書」とか、歴史上のグノーシス主義とは関係なく、グノーシス主義的なのではないか。この問題はさらに掘り下げないといけない。
(中略)
 問題は、あらゆる価値観が揺れ動いている現代において、神に叛逆することは、逆説的なやり方で、神の存在を認めることになるのではないか、ということである。叛逆者ほど、神を意識しているものはいない。本当の無神論者は、存在しない神に抗議する事はしない。

たしか、三島由紀夫が「サディズムは逆カトリシズムである。」と評していました。