テキスト

読書

信田さよ子『アディクション臨床入門ー家族支援は終わらないー』(金剛出版、2015年)、内田樹(編)『日本の反知性主義』(晶文社、2015年)を読了。

最初の単著

私が最初の単著『男らしさという病?ーポップ・カルチャーの新・男性学ー』(風媒社、2005年)を刊行してから、早いものでもう10年近くになりました。今でも、細々とは売れ続けているし、「読んだ」という新聞社・雑誌・男女共同参画センターなどから、時々…

窪美澄

窪美澄『ふがいない僕は空を見た』(新潮社、2010年)を読みました。山本周五郎賞受賞作です。日本の格差社会における「下流化」した人々の姿が上手く描かれていました。この本は、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年度本屋大賞第2位であると同時…

ヤノマミ

国分拓『ヤノマミ』(NHK出版、2010年)を読了しました。ブラジルの先住民についてのすぐれたルポルタージュです。

読書

秋田光彦『葬式をしない寺ー大阪・應典院の挑戦ー』(新潮新書、2011年)と、山上敏子・下山晴彦『山上敏子の行動療法講義with東大・下山研究室』(金剛出版、2010年)を読了しました。後者は、臨床心理士だけではなく、対人関係援助職の人たち一般の役に立…

アダルト・チルドレン

信田さよ子『重すぎる母・無関心な父ー「いい子」という名のアダルト・チルドレン』(清山社文庫、2011年)を読了しました。宗教心理学演習の講読テキストにするつもりです。

ファントム理論

今日は、大学図書館に他大学から取り寄せてもらった絶版本を受けとるために出校しました。安永浩の「精神の幾何学」(岩波書店、1999年)と、ウォーコップの「ものの考え方-合理性への逸脱」(講談社学術文庫、1986年(原著1948年))とです。安永浩が考えた…

ひとりで生きる現実は夢

「ふたりで見る夢は現実」(オノ・ヨーコ) だとすれば、「ひとりで生きる現実は夢」でしょう。 自分ではない誰か。 目の前にいて自分を見つめてくれる誰か。 自分がいなくなってもその場に在りつづけ、自分と同じように世界を眺め語り死んでいくであろうそ…

避難所としてのビジュアル系

雨宮 高校時代に、私は完全に症状をこじらせてしまって、普通の人間関係が築けなくなってしまいまし た。普通の友達は、裏切られるのが怖くてつくれない。唯一つくれたのはやっぱり追っかけ友達です。 自分と同じような境遇の子が多かったので。 いまもそう…

民衆的正義感としての「侠気」

(前略)とはいえ、原始任侠道についての文献的資料といったものがあるわけではない。それは、江戸時代の初期・中期の男伊達の物語やら、近くは長谷川伸の小説やらを手がかりにして想像されるものであるにすぎない。 しかしながら、それは、たしかにあったは…

ゴス・カルチャーとグノーシス主義

http://ameblo.jp/le-corps-sans-organes/entry-10040625272.htmlより引用 ゴス・カルチャーは、死を意識した生の文化ではないか。暗黒というよりは、暗黒を意識しているがゆえに燃え上がる炎の文化。言うなれば、グノーシス主義的思考のヴァリエーションで…

「鉄の檻」の志願囚人

1990年代以降の、日本の若者の「自分探し」ブームは、結局は「新自由主義の罠」だったのではないでしょうか?M・ウェーバーが「プロテスタンティズムと資本主義の精神」の末尾で警告した、近代産業資本主義の「鉄の檻」を生きる「精神のこびと」、「精神なき…