思想

時代の狩人

(前略)つまり、筆者にとっての安部公房の最大の魅力は、「時代の狩人」としての彼の卓越した感知・予見能力にあったのだと(木村陽子『安部公房とはだれか』笠間書院、2013年、p296)。 *同感です。私も、ささやかながら良き「時代の狩人」たる社会学者の…

パーソナリティ障害と実存主義

境界性人格障害などの人格障害の増加は、こうした実存主義的な価値観の浸透とリンクした現象に思える。また、実存主義的な価値観が、現代人の自己愛的な精神構造とうまくマッチし、互いを強化し、人格障害的な行動様式を促進していると考えられる。かつては…

鶴見俊輔さんの影響

私は、昔から評論家の鶴見俊輔さんのファンです。拙著「男らしさという病?」も、鶴見さんの「これからの日本で期待できるのは、強くなった女性とわがままになった若者である」という説を発展させたものです。最近の私の仕事も、鶴見さんの「これからの日本…

僕らはみんな生きている、生きているから痛いんだ

人間とは、苦難を免れがたい(vulnerableな)存在である。

天使のたまご―個人化された社会における重要な他者

中澤英雄さんは、カフカの思想を「神話的要素を抜き去ったグノーシス主義」として分析しています。 押井守監督の傑作OVA「天使のたまご」も、同様に分析することができると思います。http://deutsch.c.u-tokyo.ac.jp/~nakazawa/Kafka/nazo1.htmより転載 ハン…