ももクロと「女伊達」

 ももいろクローバーZのアルバム『バトル・アンド・ロマンス』(2011年)を聴きました。冒頭の楽曲「Z伝説〜終わりなき革命〜」でメンバー5人が、自分のイメージカラー(レッド、イエロー、ピンク、グリーン、パープル)を名乗って自己紹介する場面は、明らかにこども向けの「戦隊もの」の影響を受けており、間接的に歌舞伎の「白波五人男」の影響を受けています。ももクロは、歌舞伎の「男伊達」の様式を借りることで、民俗学者の赤松圭介のいう「女伊達」の伝統を体現していると見ることもできます。


「Z伝説〜終わりなき革命〜」
http://www.youtube.com/watch?v=oCRlKdMnPLI

 
http://kamishibaiclub.blog.fc2.com/blog-entry-111.html より転載


 「秘密戦隊ゴレンジャー」が、1975年に生まれた。その後、子供たちは、「アカレンジャー」「アオレンジャー」と、ポーズをとって真似て遊ぶようになった。戦隊ごっこでは、ポーズと名乗りが定番。
 その名乗りをしようと考えたのは、ゴレンジャーの主役、アカレンジャーとなった新堀和男さん。歌舞伎の「白波五人男」をイメージしたという。名乗りのポーズでは、「頭のてっぺんから、つま先、指先まで力を抜かないこと、面をつけていても演じての顔が浮き出るくらい心をこめること」だと語っていました。歌舞伎は、今も生きているなあと思いました。