「気働き文化」とジェンダー

(前略)嫁姑問題も、「気働き文化」と深い関係にあるだろう。時には嫁姑間に「気ばたらき」競争が発生する。これは抑止力がないので、ついには敵意が発生する。より正確には相手が敵意をもって「気働き」しているようにお互いに感じはじめる。時に「気働き」は息子あるいは夫のアルコール耽溺を深みに追い込むようだ(中井久夫『精神科治療の覚書』日本評論社、1982年、p.247)。


*ここで指摘されているような事態は、近年の通俗心理学でいう「共依存」(愛情という名の支配)の日本的な現れ方なのでしょう。