WARP(元気回復行動プラン)

http://mytown.asahi.com/areanews/okayama/OSK201103160046.html より転載
心の健康、自分で管理 米国発の手法に脚光


 自分はいつ、どんな状況で気分が落ち込むのか。それを書き出し、あらかじめ対処法を決めておく。そんな心の自己管理法が、県内で注目を集めている。
 「元気回復行動プラン」(WRAP)といい、米国の精神疾患経験者が考案した。心の健康状態に応じて、6段階の計画を作る。元気な時の「日常生活管理プラン」に始まり、「引き金になる出来事」「注意サイン」「調子が悪くなっている時」「クライシス(危機)」「クライシスを脱した時」と、それぞれの段階ごとに回復する方法などを事前に書き出しておく。
 「疲れたので甘い物を食べるといった元気になるための何げない動作を、系統立て、意識して行うのです」
 岡山市で昨年5月、精神疾患の患者や精神保健福祉士作業療法士、大学講師らで発足した「WRAPeach(らっぴーち)」代表の倉田真奈美さん(41)はいう。
 倉田さんも感情障害の患者だ。かつて勤めた会社で希望の営業担当から事務職に配置転換され、発症した。生きるのがつらく、投薬治療と入退院を繰り返した。それがWRAPで薬の量が大きく減った。今では好きなお香や散歩で心が安定し、夜、自力で眠れるようになった。
 「音楽を聴く」といった自分を元気にする行動を計画的に続け、心の基礎体力を上げる。体調が悪化しても対処法がわかっているため、安心感がある。米国では禁煙や禁酒、がんや糖尿病の患者も使っているという。
 倉田さんは「引きこもっている人は窓を開けて光を浴びる。介護疲れの人は美容院に行く。自分にいいことを今すぐやってみて。1人で立ち上がれないなら、誰かに連絡してみよう」と話している。(平井恵美)


日本のWRAP(元気回復運動) http://www.mentalhealthrecovery.com/jp/espanol_1.php


中井久夫さんのいう「一人治療文化」の現代的展開でしょう。