リトル・ピープルとは

『読売新聞』に2009年6月16日から3日間に渡り、村上春樹さんのインタビューが掲載されていました。

16日のインタビューでは、村上春樹さんは「1Q84」に登場する「リトル・ピープル」について次のように答えています。


 神秘的なアイコン(象徴)として昔からあるけれど、言語化できない。非リアルな存在としてとらえることも可能かもしれない。神話というのは歴史、あるいは人々の集合的な記憶に組み込まれていて、ある状況で突然、力を発揮し始める。例えば、鳥インフルエンザのような、特殊な状況下で起動する、目に見えないファクターでもある。あるいは、それは単純に我々自身の中の何かかもしれない。


毎日新聞』2009年9月17日号掲載のインタビューでは、村上春樹さんは以下のように答えています。


 リトル・ピープルがどういうものか、善か悪か、それは分からないけれど、ある場合には悪(あ)しき物語を作り出す力を持つものです。深い森の中にいるリトル・ピープルは善悪を超えていると思うけれども、森から出てきて人々にかかわることによって、ある場合には負のパワーを持つのかもしれません。