「なでしこ」と「安全保障感」

 あくまで想像ですが、ロンドン五輪で日本女子サッカーの「なでしこ」の選手たちはプレーを心の底から楽しんではいないと思います。彼女たちを駆り立てているものは、精神科医サリヴァンの用語を用いれば、「満足」(satisfaction)の追及ではなく、「安全保障感」(security)の欠如ではないでしょうか。
 前回の北京五輪のときは、「なでしこ」は4位で、マスメディアにはほぼ無視されました。他方、女子ソフトボールは金メダルで、上野投手はマスメディアの寵児になりました。しかし4年後、日本女子ソフトボールは、世界選手権で金を取りましたが、出国時の壮行会にテレビカメラは一社もこなかったそうです。
 「なでしこ」の選手たちは、今回メダルを取れなければ、前回の女子ソフトボールの二の舞になる、と恐れているのではないでしょうか?