破滅型芸術家と「同毒療法」

 最近、ジャコ・パストリアスのCDーといっても『ジャコ・パストリアスの肖像』と『ワード・オブ・マウス』の2枚しか残していませんがーを愛聴しています。ジャコが、アルコールとドラッグで身を滅ぼして早逝したことがよくわかります。覚醒剤中毒にしてバタラーだった尾崎豊の音楽もそうですが、私たちは、人間的な弱さや自堕落さを含んだ芸術に惹きつけられるのでしょう。彼らの芸術に接することには、「毒をもって毒を制す」一種の「同毒療法」の意味があるのかもしれません。