都青少年条例改定案に反対ー漫画家ら会見で表明

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-12-04/2010120415_02_1.html より転載


 「東京都青少年健全育成条例改正を考える会」は3日、都庁内で記者会見し、漫画・アニメーションの性描写を規制する条例改定案に反対すると訴えました。
 漫画家の竹宮惠子京都精華大学マンガ学部長)、こうの史代、児童文学者の山中恒日本ペンクラブ言論表現委員長の山田健太日本マンガ学会会長の呉智英、「考える会」共同代表の藤本由香里明治大学准教授)、山口貴士(弁護士)各氏らが出席しました。
 藤本氏は「今回の案は前回案より規制対象が広がっている。時代物やSFにも現代の刑罰を適用するのか。『違法行為の賛美・誇張』を規制する発想に従えば、海賊を賛美する『ONE PIECE』や泥棒を賛美する『ルパン三世』も規制対象になる」と批判しました。
 竹宮氏は「私自身、近親相姦(そうかん)が出る作品を描いた者として、今回の規制は非常に危険だ。今ここで止めたい」。こうの氏は「今回の規制で出版社や作家が先回りして自主規制する危険がある。古事記を題材に描いたら規制にかかってしまう」と述べました。
 山中氏は「都は戦前の児童図書規制と同じことをやるのか」、山田氏も「都は『表現規制でなく販売規制だ』というが、まぎれもない表現規制だ」と批判しました。


*付け加えるならば、「違法な」性を描写することもあるボーイズ・ラヴ(女性向け男性同性愛ファンタジー)の販売を規制すれば、結果的に摂食障害の患者を急増させることになるでしょう。この辺の事情については、拙著「男らしさという病?ーポップ・カルチャーの新・男性学ー」(風媒社、2005年)の第3章「ヤオイ女性と百合男性が出会うときー親密性は変容するか」をご覧下さい。