「稼ぐ力」と「女としての魅力」

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=77&id=1259907 より転載
高収入な男性が、求める女性、敬遠する女性


 非婚、晩婚化が増えている昨今、結婚を望むのにできない理由として、結婚に求めるニーズが男女間で大きくすれ違っていることが指摘されます。特に、多くの女性は未だに、男性に対して経済力を強く求めています。ところが景気悪化に伴い、そのニーズに応えられる男性はますます減少しています。
 男女雇用機会均等法ができた1980年代当時、多くの女性が寿退社をする中で、「働く私を理解して欲しい」というキャリア志向の女性のことを男性は「気が強そう」と敬遠しがちでした。しかし、今は、結婚後も共働きを願う男性が増加し、妻の方が収入高くてもOKという男性も珍しくありません。この背景としては、雇用機会均等法ができて20年以上が経ち、男性側にも男女対等意識が強まったのと、経済状況の変化による影響が大きいと思われます。

結婚適齢期の35歳の苦悩

 NHK「あすの日本」プロジェクトと三菱総合研究所の共著によって書かれた『“35歳”を救え なぜ10年前の35歳より年収が200万円も低いのか』(阪急コミュニケーションズ ・2009/11/28発行)では、団塊ジュニアの厳しい経済状況が示されていました。
 「1997年には、500万〜600万円台が最も多かったのだが、2007年には、それが300万円台となり、年収のピークが200万円以上も低くなっている。この10年で、低所得化が急速に進んでいるのだ。35歳1万人アンケートでも、年を追うごとに収入が上がるという、これまでの常識が崩れ、35歳の多くが、先行きの見えない不安を抱えている現実が浮き彫りになった」(引用)と解説されていました。

■男性は、家計を二人で支えたい

 もはや、男性の収入だけに頼る生活は、非現実的とも言えるものになっています。「永久就職」という言葉も、もはや死語となりつつあり、これからは、共働きが主流になり、専業主婦の方が少数派となっていくでしょう。
 『「婚活」時代』の著者、山田昌弘氏の2002年統計では、25〜34歳の未婚女性の40%が相手の600万円以上の年収ある男性を望んでいますが、その対象となる25〜34歳の未婚男性は、わずか3.5%しかいません。
 景気の悪化で、専業主婦志望の女性も増えているようですが、玉の輿に乗ることが、かなりの難関であることが統計では示されています。

■年収の高い男性ほど、依存する女性を敬遠する

 ところで、一方の年収の高い男性は、どんな女性を望んでいるのでしょうか? 専業主婦志望の女性に魅かれるのでしょうか?
 歯科医師の32歳のEさんは、「以前、友人に頼まれて、男性医師が多いと銘打った結婚紹介所のパーティーに参加したことがあります。職業が医者という以外は、僕のことをほとんど知らないのに、結婚したいオーラ全開で迫ってくる女性は、何か不自然というか、恐ろしかった」と話していました。
 また、海外の大学を卒業し現在5つの会社を経営している34歳のKさんにも、タイプの女性を聞いてみました。
 「頑張っている女性がいい。最近は、楽しようとしている女性ばっかり。とにかく稼ぐ力がないと困る」と言います。
 彼の年収を想像すれば、パートナーの収入が必要な生活ではないはずです。しかし、それでも相手に「稼ぐ力」を求めるのは、なぜでしょうか?そのことをKさんに質問しました。

■可愛いだけじゃ、コストにしかならない

 「彼女の給料が、高い必要はない。安くても構わない。でも、いつまでも僕の会社が順調にいく保障はないし、僕もいつ病気で倒れるかは分からない。そんな時に、金の切れ目が縁の切れ目になるのではないかと、心配しなくてはいけない女性は、とてもじゃないけれどパートナーには選べない。
 僕は、もうお気楽系の女性はモテナイと思う。かつて、お嫁さん候補として有力だった、家事手伝い、バブルの頃にはもてはやされた“合コンしたい女性”として持てはやされた、チャライ系の職業は、男からは人気がないね。今、基準は全部逆になっている。もしも、未婚の女性が結婚したくて花嫁修業として、お料理や習いごとをやっているならば、方向性は完全に間違っていると思う。僕は、そういう女性を見ると、あなたのバリューは何ですか?と聞きたくなる。可愛いだけじゃ、何のバリューにもならない。コストにしかならない」
 しかし、優秀な彼だからこそ、たくさんの出会いがあるはずです。それでも、お金を目当てにした女性しか、集まってこないのでしょうか?

■仕事モード、引きずらないで

 「そんなことはないですよ。お気楽系ではなく、稼ぐ力がある女性もかなりいる。でも、稼ぐ力を持っている女性の最大の問題は、四六時中仕事モードの性格にあるんです。つまり、男みたいな女。やっぱり本能的には魅かれない。確かに、仕事の場面では、どんなにつらくても泣いてなんていられないと思うから、肩肘張っていることも多いと思う。でも、プライベートにまで、仕事モードを引きずらないで欲しい。恋人の前では、モードチェンジして、可愛げのある女性になってほしい」

■生涯の伴侶として選ばれるには?

 今日、お金持ちが経済的に依存したいという女性を好むわけではありません。高収入の男性からも、女性は「稼ぐ力」と「女としての魅力」の両方の素質が求められているのが現状のようです。
 働くつもりがなく依存しようとする女性は、一時的な関係や遊びの対象にはなるかもしれません。しかし、生涯の伴侶と見なされることは少なくなるでしょう。お金に余裕があるからこそ、近寄って来る女性が、自分のことを「金づる」と思っていないかと警戒し、余計に気を付けなければいけないと思っているのです。そして、お金をかけるなら、風俗や水商売の方が面倒がないと思う男性や、人妻の方が後腐れなくていいと言う男性までいました。
 専業主婦が当たり前の一昔前、金持ち男性の多くは、「女としての魅力」を重要視し、自立志向の女性を選ぶことは多くはなかったでしょう。しかし、今や男女の対等意識は広い階層で浸透してしまいました。特に20〜30代には顕著に現れています。専業主婦志望の女性は、40代後半以上の「女を養うのが、男の役目」という旧世代の価値観を持っている男性にも対象を広げれば、望みは叶えられるかもしれません。
 男性が求めるパートナー像は、時代とともに変化し、現実的な視点で、この時代を一緒に乗り越えてくれるパートナーを求めています。今こそ、女性はその変化に気付く時ではないでしょうか?

【恋愛ガイド:西郷理恵子】


*個人的にもよく理解できるし、日頃男子学生と接していて私が抱いている印象とも一致する話です。高収入の男性は、結婚においても「強者連合」を志向する傾向があると思います。