「器官なき身体」とグノーシス主義

哲学者ジル・ドゥルーズが、自身の哲学のキーワードとして用いる、作家アントナン・アルトーが言い出した「器官なき身体」は、批評家スーザン・ソンタグが指摘する「グノーシス主義者としてのアルトー」が、邪悪な創造神の支配する「肉の獄」に取り込まれる以前のいわば「原=身体」のことだったのではないでしょうか。