天理教教祖と夫のやさしさ

(前略)彼女は健気になおも前進しようとしたが、力は尽きていた。比較的短期間のうつ状態ののちに彼女は実にバリケードを築き、「われは普賢菩薩なるぞ」と宣言して家族に礼拝を求めた。上流出身の、ほとんど完璧に従順な彼女は変貌した。やはりここでも夫のやさしさが発揮された。いや、ミキの場合もそうであるように、夫のやさしさを引き出したというべきか、夫は礼拝したのである。紆余曲折を経て、一家は(おそらく以前よりもさらに)仲むつまじく暮らしているはずである(中井久夫『治療文化論ー精神医学的再構築の試み』岩波同時代ライブラリー、1990年、pp.55-56)。

天理教教祖は、神がかりによって、「夫のやさしさを引き出した」のだと思います。