アルコール依存症の回復とジェンダー 

 ここをこえると患者は、いままでしなかったことをするが、これをからかわない。奇装やヒゲをたくわえるならば、軽く「いいね」と支持する。周囲の「やめなさい、みっともない」という圧力にさからって、奇装を続けたりヒゲをたくわえたりすることは、酒に手を出さないのと似たがまんである。とくにヒゲは「患者をまだ子ども扱いするお母さん」や「いつの間にか駄々っ子の母親にならされた奥さん」に、ハッと「患者は一人前の男なのだ」と気づかせるよい効果がある。
 女性患者にはお化粧とおしゃれであろうか。軽く支持しておく(家族には支持されないことが多いから)(中井+山口『看護のための精神医学/第2版』医学書院、2001年、pp.275-276)


アルコール依存症の回復とジェンダーについての、面白い意見です。患者の、(元)イネーブラーからの自立宣言なのでしょう。そういえば、マンガ家の吾妻ひでおさんも、断酒してヒゲを立てました。