性的少数者の7割いじめ

http://digital.asahi.com/articles/ASG575H7SG57UTFK00F.html?iref=comtop_6_01 より転載
性的少数者の7割いじめ 3割、自殺考えた ネット調査


 同性愛者や性同一性障害者など性的少数者「LGBT」のうち7割が学校でいじめに遭い、3割は自殺を考えたことがあるという実態が、民間団体のインターネット調査で明らかになった。LGBT全体を対象にしたいじめに関する大規模な調査は初めて。
 調査はLGBT当事者らでつくる「いのち リスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」が昨年10〜12月に実施。小中高時代を主に関東地方で過ごした10〜35歳を対象とし、10代の169人を含む計609人から回答を得た。
 いじめを受けた経験がある人は68%にのぼった。いじめの内容(複数回答可)は、言葉の暴力が53%、無視や仲間はずれが49%、身体的暴力が20%、服を脱がされるといった性的暴力が11%となった。
 また、そのうち72%が1年以上にわたっていじめられていた。いじめを行ったのは、大半が同性の同級生だったが、12%は「担任教師」と回答した。
 いじめを受けたことについては52%が「誰にも相談しなかった」と回答。3割が自殺を考え、2割がリストカットなどの自傷行為をしていた。相談相手としては母親が29%、続いて担任教師(19%)だった(複数回答可)。LGBTに関する冗談やからかいを見聞きした際は、29%が「いじめられないよう一緒になって笑った」と答えた。
 団体の共同代表で、性同一性障害者の遠藤まめたさん(27)は7日の記者会見で「全体の9%が小学校に入る前に『LGBTかも』と感じている。教職員はカミングアウトを待つのではなく、正しい情報や肯定的メッセージを授業で伝えてほしい」と訴えた。同団体は6月に国会議員と文部科学省を交えた勉強会を予定しており、今後は全国規模の調査を目指すという。(二階堂友紀)