雅子妃と認知行動療法

 雅子皇太子妃の精神疾患適応障害」について。雅子妃には酷な言い方ですが、雅子妃が日本における認知行動療法の権威・大野裕氏を主治医に指名したのは、大きな判断ミスだったと思います。うつ病や不安障害の患者さんのなかには、認知行動療法が一定の効果を上げる人もいることは確かです。しかし、雅子妃は認知行動療法が効かないタイプの人なのでしょう。オランダ外遊に大野医師を同行させたということにも、首をかしげてしまいます。「精神科医を高しとする患者は医者ばなれできず、結局、かけがえのない生涯を医者の顔を見て送るという不幸から逃れることができない、と私は思う」(中井久夫)。
 雅子妃の場合、インテリでなまじ精神医学やカウンセリングに一定の知識があったことが、仇になったのではないでしょうか。雅子妃にとって最も必要なのは、「精神医療の専門家」ではなく、(かつての)美智子皇后にとっての女性精神科医神谷美恵子氏のような、「聴きだすけ」(天理教)をしてくれる「何でも話せる(同性の)友人」なのではないでしょうか。