日本人女性<贖罪>の果て(続)

http://dailycult.blogspot.jp/2012/08/blog-post_26.html より転載
統一協会が渡韓日本人妻の夫殺害事件を黙殺、訴訟への影響を懸念か?
本紙既報記事『韓国で日本人妻が夫を殺害、統一協会信者か? 』の続報。


事件を起こした日本人妻が、1995年に統一協会統一教会)の合同結婚式で渡韓した信者だったことが判明した。
しかしながら、“日本統一教会”はこの事件に対し何ら公式発表をおこなっておらず、教団の公式サイトにもこの件は一切掲載されていない。
統一協会にとっては事件の背景や詳細が明らかになると、教団の理念に基づき推し進める祝福式(合同結婚式)のシステムが如何に欺瞞に満ちたものであったかということが白日の下に晒されてしまい、教団の道義的責任を問われてしまいかねないということであろう。
また、松濤本部が事件を黙殺する背景には内部統制の観点とは別に、教団が起こした民事訴訟への影響を懸念したと思われる。


◆事件の背景と詳細


複数の情報源から、韓国人の夫を生活苦から殺害した日本人妻が、やはり統一協会の信者であることが判った。
殺人事件を起こした日本人妻の名は「ミユキ」。1995年8月25日に36万双としてソウル・オリンピックスタジアムで開催された合同結婚式に参加し、以後17年間韓国で暮らしていた。
韓国人の夫は結婚以後ずっと無職で生活は当初から困窮した。国からの生計補助金約50万ウォンとミユキがアルバイトで稼いだ50万ウォンで生計を立ててきた。夫の健康状態が悪く、10年前にミユキが日本へ夫を連れてゆき病院で検査を受けさせたところ透析をしなくてはいけない状態と判明した。
ミユキは食堂と家事コンパニオン(家政婦)の仕事で一日に12時間働き、夫の病院費用を捻出していた。しかし夫はミユキを無視、酒を呑むと物を投げミユキを暴行、飼っていた愛玩犬以下の扱いをしたそうだ。
3年前にも夫は交通事故に遭い入院したが、その荒っぽい性格が問題となり病院から追い出された。ミユキも3年前から鬱病を発症、病院に通うも薬代がなく治療は中断していた。
ミユキの困窮ぶりについては、周辺の日本人妻や信者も把握していたが助けにはならなかった。
また、ミユキは何ヶ月も前から教会に通っていなかった。
ミユキは殺人の動機について、「生活苦」「結婚後17年、酷い貧乏と夫の暴力と鬱病に苦しんだ。死にたかった」「病気の夫の苦痛が見るに堪えなかった」などと述べている。
当初、ミユキは通報時「腎臓病の夫が息をしていない」と病死を装っていた。
同じような苦境にある在韓日本人妻の数は少なくない。春川だけでなく韓国全土に相当な数似たような境遇に陥っている日本人妻が居る。
彼女たちは韓国統一教に苦境を訴えているが、統一教も現場幹部も取り合わないという。
統一教はこれら多くの日本人妻の基本的人権を無視、人間以下の生活状態に放置している。
1995年の36万双合同結婚式から『世界化』を謳い、無差別的に門戸を開放した統一協会。結婚できない農村地区の男性や都市部でも生活能力のない男性が合同結婚式に参加し、日本人女性信者と結婚した。これら問題ある男性については飲酒しては暴力を振るうなどのケースも多々あり、日本人妻の稼ぎと国からの最低生活費補助で生活しているという生活無能力者が多い。
1995年以降、合同結婚式に参加する男性信者を集めるため、統一教は結婚見合い業者のように街頭で広告を出し、参加者を募集した。その結果悲惨な状況が生まれたというわけだ。一部の統一教の地区幹部は婚姻の斡旋手数料まで受け取っていたとされる。
このような婚姻斡旋行為を問題視したフィリピン政府は1996年1月、『婚姻にかこつけた人身売買行為』と規定。韓国人幹部のフィリピン入国禁止、婚姻したフィリピン人女性の出国禁止措置まで取った。
今回の事件を起こした日本人妻の事例は氷山の一角に過ぎず、現在も苦境に置かれている日本人妻は多い。
これは『信仰』の名の下に統一協会が引き起こしてきた問題であり、政府レベルでの調査が必要とされる。


◆訴訟への影響を懸念か


今回の事件については黙殺の格好を決め込んだ統一協会本部は、依然としてノーコメントの姿勢を貫いている。
現在統一協会は渡韓した信者の名誉を棄損する記事を掲載したとして週刊ポストの発行元であるる小学館を提訴している。


統一教会公式サイト 2010年11月15日】
週刊ポストの発行元・小学館を名誉棄損で提訴
世界基督教統一神霊協会はこのほど、「週刊ポスト」6月4日号の記事によって当法人の名誉を著しく棄損されたことから、発行元の小学館を相手取り、損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地裁に起こしました。
 同誌は「<衝撃リポート>北海道大学教授らの徹底調査で判明した戦慄の真実」「韓国農民にあてがわれた統一教会合同結婚式日本人妻の『SEX地獄』」「統一教会合同結婚式で韓国に渡った日本人妻の多くが、貧しい農村で苦しい生活をしている実態が初めて明らかになった」などと記載した記事を掲載。大学教授の調査に基づいていると主張しながら、あたかも当法人が合同結婚式によって日本人女性を韓国の貧しい農村の男性のもとに組織的に嫁がせ、農村に嫁いだ日本人妻が貧しく苦しい生活を送り、「SEX地獄」に苦しんでいるかのような印象を与える事実無根の報道を行いました。
 これは、当法人および韓国に嫁いだ日本人女性信者らの結婚生活に対する侮辱であるとともに、信者の名誉を著しく棄損するものです。
 当法人はこれまで、週刊ポストに対して謝罪と記事の訂正を繰り返し求めてきましたが、誠意ある回答を得ることはできず、このたび訴訟に踏み切った次第です。


今回の事件は、この訴訟にも影響がありそうだ。
今の段階で、統一協会松濤本部がこの事件に関し見解を述べ教団の責任に触れることは、小学館に対する民事訴訟で教団に不利になるとの判断が働いたと思われる。
当初、本紙の問合せに松濤本部の広報局員は「この婦人が教会員だとしたら責任を逃れるつもりはない」と話していた。しかしこの局員の言葉とは裏腹に、教団は今もこの件を黙殺している。


*この記事を読まれた政治家の方、日本でもフィリピンのような法律を作れないでしょうか?
 もちろん、合同結婚式で韓国人男性と結婚した約6000人の日本人女性信者全員がDVの被害にあっているとは思いません。しかし、「過去の不幸な歴史」に対する「贖罪」という宗教的信念に裏打ちされた彼女たちの「忍従的態度」が、バタラーの韓国人男性に「道徳的敗北感」を味わわせ、「恥」(shame)の感情を刺激して、結果的にDVの増悪因子になっている場合があることは、容易に推測されます。