家族のサポート・システムとしての宗教

(前略)こういう治療の「支援組織」(サポート・システム)を構想する時、やはり日本の家庭の、各自がせい一杯努力してよくやく維持しているひよわさ、ちいささ、そして孤立しがちな点を思う。欧米の場合には教会が依然として軽視できないサポート・システムである。「隣人」という概念も聖書にあるように単なる隣近所の人という意味を超えたキリスト教的概念で、愛の対象とされている。万事がうまくいっているとはいわないが、しかし、あるとないとは大違いである(中井久夫「日本の家族と精神医療」『「つながり」の精神病理』ちくま学芸文庫、2011年(初出1991年)、p112)。


*日本の宗教も、もっと「家族のサポート・システム」としての役割を果たすべきでしょう。