ACは甘え?人間はぜいたく?

 昨夜、懲りずにテレビで実写版『妖怪人間ベム』を視ました。原作アニメのファンだったからです。今回は、「酒乱で母親に暴力をふるっていた父親を刺殺した息子」が、「事件を訴えても問題に介入してくれなかった警察」を「逆恨み」して「警官殺し」を繰り返していた、という話でした。「ベム」は犯人に、「まだ人間であることのありがたさがわからないのか!」と説教していました。前回に引き続き、そのオヤジ目線の保守的な発想にがっかりしました。番組プロデューサーは、きっと「アダルトチルドレンだなんて甘えるんじゃない!」と説教するタイプの保守的男性でしょう。
 そういえば、精神科医中井久夫さんがどこかで(出典は失念)、「アイデンティティがぜいたくである社会では、やがて人間であることもぜいたくになるだろう。アイデンティティは不要だなどと軽々に口にするべきではない、と私は思う」という意味のことを書いていらっしゃいました。現代日本では、もはや「人間であること」すら「ぜいたく」になりつつあるのかもしれません