新宗教と侠気のゆくえ

創価学会名誉会長である池田大作氏の少年時代の愛読書は、三国志水滸伝とデュマの三銃士だったそうです。三国志水滸伝は、創価学会2代会長の戸田城聖氏が愛読しており、その影響で年配の創価学会員には広く読まれていたそうです。第二次世界大戦後、二代目真柱(教主)・中山正善の教典編集(復元)によって、天理教では弱体化してしまった義侠心という民衆的正義感は、戦後は創価学会に受け継がれたと見ることができるかもしれません。かつて、キリスト者であった北村透谷は、「徳川氏時代の平民的理想」(1892年)という論文で、江戸時代の平民が生んだ思想でキリスト教社会の騎士道に相当するものは「侠」(「女侠」を含む)と「粋」くらいである、と論じています。創価学会も成長期をとうに終えてしまった今、「侠気」という民衆的正義感は、いったいどのような社会的勢力に担われることになるのでしょうか?マンガ=テレビドラマ「ごくせん」の人気をみると、男性よりも女性の方が侠気の継承を意識しているのかもしれません。